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クロスゲーム 3 [漫画]

クロスゲーム (3)

クロスゲーム (3)

  • 作者: あだち 充
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/03/17
  • メディア: コミック


漫画家、あだち充が描く野球漫画。

幼なじみは四姉妹!? スポーツ用品店の息子・樹多村光と、バッティングセンター&喫茶店「クローバー」の娘たちが繰り広げる、爽やかで少しせつない青春野球ストーリー!!


“野球を題材にした青春群像劇”(作者談)を代表作にするベテラン作家の新作。インタビューを拝読したところ、前作が諸事情で不本意な形で終わったため間をおかず新連載を開始、その際選んだ題材はパブリックイメージを代表する“高校野球”だった、ということらしい。

主人公の樹多村光は幼い頃幼馴染の女性を亡くし、彼女が語った彼への期待を忘れられず投手として地味にトレーニングを重ねていた。周りは彼女の死を契機に野球から遠ざかっていると思っていたが、ふとしたきっかけで積み上げた実力が露呈、紆余曲折あり高校の野球部へ入部。ところが1軍と“プレハブ組”と呼ばれるいわゆるファームに二分されあからさまな待遇の違いのある野球部、監督すらも違う環境で彼らは一軍昇格試験である練習試合を待つ。

この巻では野球部を取り巻く状況を割りとこまかく描いている。新たな登場人物も多数登場、顔見世は終わらず。技術と実力のみで形成された一軍は感情を排した練習方法で、妹の意思を主人公と同じように継いで女性ながらに投手として訓練してきたヒロイン・青葉の自信を根こそぎ奪い去る。そういった布石が敷かれ、次巻の練習試合へ、と。

今作は野球漫画としては前作となる“H2”とかなり読後感が違う。簡単に言えば、いつものとぼけた味わいを抑えてまでケレン味というか・・・“情感”を打ち出してくる。前作にあった透明感のある成功譚的趣ではなく、長い年月をかけて形成された思い出からくる主役周りの登場人物たちの中で共有する想い、それが下地になっているがゆえの物語におけるタメ、それがかなり色を変えているというか。逆にこの作者でなければ・・・透明感で中和しなければ現在では成り立たないのではないかと思うほど。これはもしかして技術や理論やカタルシスに偏った現行の野球漫画へのカウンターなんだろうか。


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