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古畑任三郎 FINAL 第二夜 [TV]

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: DVD


新春特別企画・最後の古畑任三郎。

全身黒を基調にしたファッションに、刑事にはとても見えない風貌、そしてやわらかい物腰。拳銃を持たず、暴力も行使しない。ただ己の冷静な判断と推理力、そして巧みな話術で、犯人の巧妙なトリックを見事に解き明かす…。和製コロンボとも呼ばれた「警部補 古畑任三郎」は、刑事ドラマの枠を超えて、多くのファンを魅了した。冒頭シーン、犯人の攻防場面、事件解決に至る場面など、段階ごとに古畑が視聴者に向かって問い掛ける演出は新鮮。登場する犯人役に豪華な顔ぶれを配し、古畑との対決を見ごたえたっぷりに描く。生活観を感じさせない古畑を、田村正和が独特な雰囲気の中で印象づけている。amazonより引用


「FINAL」と銘打った文字通り“最後の”古畑任三郎シリーズ。刑事コロンボを髣髴とさせる構成・・・犯人は最初から分かっていて、彼ら(各話の犯人たち)が起こした犯罪のほころびを主人公が掴み解きほぐしていくという物語になっている。トリックが徐々に解き明かされていくものの情景描写のみに留め、事件解決の前に主人公が視聴者にどうやって謎を解いたのかあなたも考えてみてくださいと語りかけるというシーンが毎回挟まれる。これはミステリ(書籍)などでは割とポピュラーな手法になっている。そういったミステリのパロディ(オマージュ?)を取り入れつつあくまで軽やかなテイストの作品になっている。今作は新春特別企画として3夜連続で各々異なった事件を扱っている。

今作の犯人は現実のメジャーリーガー・イチローが本人役で演じている。作中で主人公に語らせているが、そもそも当初の予定ではイチローをモデルにした“ハチロー”なる人物にして製作する予定だったらしい。しかしその噂を聞きつけたイチローがそれなら僕が出演したほうが面白いんではないのかということで出演を快諾しこういった話になったとか。さすが器がでかいぜ。

しかしながら、製作側が現役の野球選手に演技をさせることに不安を感じたのか、イチローが長い間続いたこのシリーズにおける名脇役ともいえる登場人物の兄弟という設定にしており、その辺でどうか一つおおめに見てくださいというノリが垣間見える。ところがイチロー、素人目に見てもかなり演技が上手い。最後までこの作品に流れる独特の雰囲気を全く壊さず演じきっていた。そのあたりはさすがというかなんというか。自ら名乗り出るだけの事はある。ただまぁ、当初の予定通りハチローならもっと物語を面白く出来ただろうなぁとも思えるわけで。いわゆる“本人”であるイチローが出演したことで、彼の名前に傷をつけないようにとの配慮が非常に行き届いていて、犯罪に至る動機から彼の“現実の”名声・人気をアピールするシーン、人物造詣や犯罪が露見し捕まるシーンに至るまで完全に“メジャーリーガー・イチロー讃歌”と呼べるものになっている。それでもそれなりに魅せてしまうところがこの作品の心憎いところなのだが・・・。

とにもかくにも、「イチローが演技してる!しかもけっこう上手い!」というインパクトが大きすぎて古畑任三郎としての面白さというものはあまりない。テイストで似たエピソードを探すとするならSMAPが本人役で出演したSPに近い。ゲストキャラを立てるという意図が見えすぎるのだ。

これが意図的なもので、3夜のバランス配分を考えつつ構成しているのだとするならば・・・初日は顔見世で脚本に注目が行くようにして、次は犯人役の配役の豪華さを思い出させ、明日の松嶋奈々子のエピソードでは古畑任三郎賛美の内容になりキレイに着地することになるが・・・。そこまで考えているのなら、さすが長寿シリーズ、とうならされるなぁ。さて、名実共に「FINAL」の明日はどうなるだろうか・・・。


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