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池袋ウエストゲートパーク スープの回 [TV]

池袋ウエストゲートパーク スープの回 完全版 (通常版)

池袋ウエストゲートパーク スープの回 完全版 (通常版)

  • 出版社/メーカー: TBS
  • 発売日: 2003/07/25
  • メディア: DVD


人気脚本家が描いた青春群像劇。

とにかくカッコいい。「池袋ウエストゲートパーク」は、ハイテンションな傑作ドラマである。まずタイトルのネーミングも含め、舞台に池袋を選んだ石田衣良による原作のセンスがいい。そこに『GO』の脚本でも注目を集めた宮藤官九郎、「ケイゾク」で斬新な演出をみせた堤幸彦のセンスが加わり、コミカルで奥行きのある世界が構築されている。そこに長瀬智也、窪塚洋介をはじめ、名前をあげたらきりがないほどの豪華キャスト陣が、それぞれ強烈なキャラクターを演じ、違和感なくとけ込んでいるのも見事だ。物語はギャングの抗争、少女の殺人などを背景に、今どきの若者の現実をポップに描いている。が、その奥に彼らが持つ深い孤独感をじわーっと臭わせていて、単にテンションが高いだけのドラマに終わってはいない。また、不良だけにスポットを当てるのではなく、オタク、ヒキコモリといった少年たちが同じ土俵で活躍する展開も、どこか浪花節的なものを感じさせ、それが実にキモチいい。


本編からしばらくたった後の登場人物を描いた“同窓会”。当時の人物たちがどう転んだのかを見せて行き、軸として一つの事件が設置されている。本編終了後あまりにも各々の俳優女優が売れすぎて、ブッキング的に再現は無理だと言われ続けていたが何故か普通に全員集合、と。脇役から端役にいたるまでほぼ同一に再現されている。

本編を軽く説明しておくと、主人公・マコトは池袋でうろうろしている若者で、さまざまな知り合いを通してわけの分からない事件に巻き込まれ解決していく、そういう作品で。少々気性は荒いが面白そうな事件には乗り出していくという。普通に素の価値観で喜怒哀楽を表現し動き回り、早い話が見た目の中にある本質、“既存のモラル”を体現するというか。その点で彼は一目置かれているが、彼はそこに気づいておらず、何度も疑問を感じ憤るわけで。後は、彼のような生き様をしている人々が社会で転がっていくために・・・フィールドの違う奴らと楽しくやっていくためにどうしたらいいのかを軽く提示してみる、そんな話で。1話完結で編まれていると。普通にアンモラルなことがらを“こう観りゃいいんだよ馬鹿かお前”と呆れ気味に提示する、そんなノリで。常識的な話でもあるし、この作品自体・・・だからこそ地味に再放送されていて。建前と本音の折衷案というか。

この作品はそんなこんなで現在彼らが何をしているかを魅せると。主人公のマコトは本編時代の伝説になっていて、現在の若手に一目置かれてはいるが、生活は困窮していて。当時あれこれ絡んだ人々もそれなりに社会に適応していて、唯一対等に話せるのは窪塚洋介演じるKINGだけという。つまり当時のキャリアを普通に重ねて工夫すれば適当に食っていけたのに性格上それが出来なくて・・・それゆえに仲間とつながりがあるという哀しい立場で。マコトはこうじゃなくちゃいけねえよ的な。つまり、イメージを保ち続けることに対する不器用さが。それを上手く生活に結び付けられないと。

まぁ、年齢を重ねて立場も変われば戦い方も違う、そういう話かと。楽しく騒いでいこうというか。それだけです。お疲れ。

池袋ウエストゲートパーク DVD-BOX

池袋ウエストゲートパーク DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2000/10/25
  • メディア: DVD


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木更津キャッツアイ [TV]

木更津キャッツアイ 5巻BOX

木更津キャッツアイ 5巻BOX

  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2002/06/28
  • メディア: DVD


人気脚本家による青春群像劇。

宮藤官九郎脚本、V6の岡田准一、嵐の桜井翔ら若手俳優による、若者たちの友情と人生を描いたドラマ。かつての野球部監督をターゲットに盗みを成功させ、その祝杯の席で公平は仲間たちに自分の死期を告白する。


現在でも人気の高いドラマ。この作品が放送される以前のドラマへの過剰さに対するアンチテーゼとして“普通”というテーマを打ち出した作品。自分というものを保ちいかに普通で居られるか、それを末期の病に侵された青年というぎりぎりの状況で描き出すことで過剰さを求めている層にも納得できるように、徐々に徐々に物語は進行していく。メディアの東京への召集的ノリを真っ向からくつがえすご当地モノドラマ。

主人公の田淵公平・愛称ぶっさんが病院で診察を受けるところから物語は始まる。診察券を受付に出している彼の横を通り過ぎる担架・・・かつぎこまれてくる患者をふと見ると、それは危篤状態の彼自身で。「これが3ヶ月前の俺、あれが3ヵ月後の俺」というモノローグで始まるこのドラマは、1話完結で地元で暮らす若者がごろごろしているさまを魅せるというか。分かりやすく土地柄に依存した作品ではなく、ぱっとしない田舎町で若者がどう楽しんでいるか、そんな話で。まぁこんな感じで人生生きれば楽しいんじゃないの?そんな提示なんですよね。だからなんかこう・・・情報がなくても金がなくても女が居なくても暇でもこういうような楽しみ方なら暇つぶしにはなるんじゃないのかなぁ、そういうことかと。簡単に言うと、シチュエーションコメディの連載版というか。若者の処世に対する対処法(解決法ではない)を軽く教えてくれるというか。

みんなの目の前で“自分の死期の象徴である薬”を普通に飲むことで、周囲は・・・まぁ分かりやすく言うと彼らもそれを知った上でテンション上げて楽しくやろうぜってアピールしていて、それに対する反論と思ってしまって。うっかりへこんでしまい本音を述べるも、ぶっさん自身は単に医者の処方箋に従っていて。なんだかなぁ、という。一通り揉めて・・・心配しているんだよ俺らはと伝えた彼らに対してぶっさんが述べる「お前らに心配されるくらいならなぁ、死んだほうがマシなんだよ」という分かりやすい“死ぬまで演技をしてくれ”という嘆願、それを踏まえて取り残された面子の中のアニが述べる「なんだかめんどくせーな・・・」という台詞、それがすべてというか。介護といえば分かりやすいが、結局仲間の死期を見取ることを義務付けられた、そのことに対していろいろ考え、“じゃあ面白おかしく生きようぜ!”という結論に達すると。俺らに出来ることはたかが知れている、でもお前が生きるというなら頑張るよ俺らも(from バンビ)というか。まぁそんな感じで観て行くとあきらかに芸風の違う事柄に周囲が手を出していることも分かり始め。本当は恋愛経験豊富なヒロインのモー子も彼の前では実は処女でした、テヘと分かりやすく嘘をつきぶっさんは心底驚き。みんなで彼のピュアネスを維持しておこう、それが花道だというか。これはぶっさんがどうこうというより、周囲がどう動いていくか、その辺りを観て行った方が理解しやすいかと。

最後に日常へ戻り「しまっていこぅーっ!!」とキャッチャー役の主人公がみんなに宣言する、そこがハイライトというか。そういうことなんですよ。結局。まぁ簡単に言うと建前でどれだけしらを切り通せるか、それが問題。いいたくねえ!

そんな話です。暇なら御覧あれ。7話がお勧めです。
何も知らず地元のライヴハウスへ行きパフォーマンスを観たぶっさんが、
「泥棒やってる場合じゃねえ!(バンド!)これしかねえ!!!」と、
分かりやすく勢いづいていくノリが。そんな感じです。


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女王蜂 [TV]

金田一耕助の事件匣

金田一耕助の事件匣

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2003/11/21
  • メディア: DVD


TVシリーズ最新作。

大道寺家の美しい娘・智子の求婚者が次々に凄惨な方法で殺される連続殺人事件が発生。金田一は事件の真相が智子の過去にあると感じ、捜査を始めるのだが…。amazonより引用


名探偵・金田一耕助が事件を解き明かすミステリの古典。主人公役が代替わりしつつ現在まで定期的に新作が発表されている。この場合の新作というのはキャストを一新し撮りなおすという部分であり原作は同じ。つまり、同じ原作でありながら異なった役者による作品がいくつも並ぶことになる。個人的にもっともはまり役だったと思える石坂浩二を始め、古谷一行、鹿賀武史、片岡鶴太朗、渥美清、豊川悦司などが演じてきた主役の名探偵。最近また代替わりをして現在はSMAPの稲垣吾郎が演じている。基本的にTVの2時間ドラマとして制作されお茶の間への浸透度は高いかと。豊川悦司バージョンのみ映画として製作された。

横溝正史というミステリの大御所の作品という事であらすじ等は省略。調べればいくらでも出てくると思うので・・・。“新作”として製作された稲垣吾郎版金田一についてのみということで一つ。

結論から言うと、今作は非常に出来が良い。僕が見た限り正月特番のドラマの中で一番の出来栄えといっても差し支えない。金田一耕助という作品を洗い直し現在再現するに当たって何が足りないのか・何を残すべきかをきちんと考え抜いた上で製作されたという印象を受けた。まず既存の作品にあった薄暗い雰囲気・・・これは凄惨な事件という内容上ある程度必要悪のようなものではあったのだが、その為時折「ミステリ?ホラー?」という疑問を感じる部分を今回は「これはミステリ。しかもお茶の間に特化したもの」とはっきり断言している。具体的に言うと、セットなどに毒々しいほどの原色を散りばめ華やかさを加味し視覚的に見応えのあるようにしてある。室内の映像ではドラマの質感、屋外が映るシーンでは映像に処理をして既存の金田一シリーズのイメージから逸脱しないような映像を魅せてくれている。演出も上手く、変人ということで世間からある種乖離したような金田一像を払拭し、所々でコメディ的に描くことで現在的解釈を入れた人間味を出してある。稲垣吾郎版になってからの特徴だが、いわゆる“ワトソン役”として作者・横溝正史本人を物語に投入しており、その辺りも効いているような。そういった要素が絡み合いつつも“観ていて落ち着く”というシリーズモノの一番の売りをはずしていないのだ。

強いて苦言を呈すとするならば、緊張感というものが非常に希薄。凄惨な描写を控えたゆえに殺人のリアリティが無い。死体すらも雰囲気作りの一環のように思えてしまう。また、殺人事件の内実が年を経たドロドロの愛憎劇というのも今更感があり。原作つきなのでこればっかりはしょうがないわけだが。

ただ、今作はそれを踏まえてもなかなか良作だと思う。作り上げられた物語を包み込む雰囲気はあきらかに金田一シリーズに共通するものながら、きちんと現在の解釈あるいは価値観が加えられていたからだ。長寿シリーズだから既存のファンさえ裏切らなければ良いというような守りの姿勢ではなく、金田一の良さを伝えて新たなファンを・・・という思いが垣間見えた。


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古畑任三郎 FINAL 第三夜 [TV]

古畑任三郎(3)

古畑任三郎(3)

  • アーティスト: TVサントラ, 本間勇輔, 丸山和範
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 1999/05/19
  • メディア: CD


新春特別企画・最後の古畑任三郎。

全身黒を基調にしたファッションに、刑事にはとても見えない風貌、そしてやわらかい物腰。拳銃を持たず、暴力も行使しない。ただ己の冷静な判断と推理力、そして巧みな話術で、犯人の巧妙なトリックを見事に解き明かす…。和製コロンボとも呼ばれた「警部補 古畑任三郎」は、刑事ドラマの枠を超えて、多くのファンを魅了した。冒頭シーン、犯人の攻防場面、事件解決に至る場面など、段階ごとに古畑が視聴者に向かって問い掛ける演出は新鮮。登場する犯人役に豪華な顔ぶれを配し、古畑との対決を見ごたえたっぷりに描く。生活観を感じさせない古畑を、田村正和が独特な雰囲気の中で印象づけている。amazonより引用


三夜続いたこの企画も今日でラスト。タイトルも「ラスト・ダンス」と銘打ち文字通り“最後の”古畑任三郎の活躍を描く。もともとこの作品はゲスト(犯人)役の俳優・女優と田村正和の演技力を競う意味合いが大きかった。彼らに華を持たせる時もあれば強烈に絞り上げるときもあり。そんな田村正和演じる警部補・古畑任三郎の追い込みを受け止める彼らの演技が結局のところこの作品の一番の魅力であったというか。普通の(広義の)ミステリにおける謎を解き明かす役割を果たす人物の語り口にカタルシスを得るという楽しみ方ももちろんできるわけだが、この作品はそれ以上に犯人を・・・犯人を演ずる役者を、魅力的に描くことに腐心していたように思える。

第三夜の今回は松嶋奈々子が一人二役を演じる。双子である彼女たち姉妹。TVドラマの脚本を担当し家で黙々と書き続ける生活を送る内向的な姉・紅葉(もみじ)とマネージメントを含め外へ出て“顔”の役割を果たす妹・楓(かえで)。姉は妹との意見の食い違いで独立を考え、一方で華やかな場所への渇望を募らせ、妹に成り代わることで不満を解消しようとする。犯罪は上手く行くが、仕事の参考にするため警察関係の情報を流してもらっていた警部補・古畑任三郎の存在は彼女を徐々に追い詰めていく。

名実共にラスト、ということになる今作だが、特にコレといった大仰な演出はなされておらず、予想通り古畑任三郎というドラマの基本に立ち返ったエピソードになっている。古畑という人間の魅力、部下たちの珍妙なやり取りといったコメディの要素を強めにアピールしつつ、犯人の心情を心憎いほど汲んだ古畑の振る舞いはこの作品に一貫した独特の後味を残す。ラストだからこそ古畑任三郎の本来の魅力を・・・!という思いが垣間見える。

古畑任三郎シリーズを通して言うならば特に突出した出来栄えというわけでもないこのエピソードだが、その凡庸な感触が平熱感があり逆にいいかもしれないなぁと。結局のところ、田村正和という役者のパーソナリティを踏まえた、酸いも甘いもかみ分けつつ情や義憤などに安易に寄りかからない“大人”として人物造詣がなされており、かといってミステリにありがちな何の私的感情も込めず謎を解くことのみに特化し日常描写で魅力を補足するような探偵役でもない。犯人の心の機微を掬い取り最大限の気遣いを見せつつも職務を全うするという優しさにも似た振る舞いがこの作品を通した魅力ではなかっただろうか。TV番組として製作されたがゆえの日常感がこの作品においてはいい方向に転がっていたと思う。などとまとめてみたが、この作品がコレで終わるとはどうしても思えないのだ・・・。


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古畑任三郎 FINAL 第二夜 [TV]

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: DVD


新春特別企画・最後の古畑任三郎。

全身黒を基調にしたファッションに、刑事にはとても見えない風貌、そしてやわらかい物腰。拳銃を持たず、暴力も行使しない。ただ己の冷静な判断と推理力、そして巧みな話術で、犯人の巧妙なトリックを見事に解き明かす…。和製コロンボとも呼ばれた「警部補 古畑任三郎」は、刑事ドラマの枠を超えて、多くのファンを魅了した。冒頭シーン、犯人の攻防場面、事件解決に至る場面など、段階ごとに古畑が視聴者に向かって問い掛ける演出は新鮮。登場する犯人役に豪華な顔ぶれを配し、古畑との対決を見ごたえたっぷりに描く。生活観を感じさせない古畑を、田村正和が独特な雰囲気の中で印象づけている。amazonより引用


「FINAL」と銘打った文字通り“最後の”古畑任三郎シリーズ。刑事コロンボを髣髴とさせる構成・・・犯人は最初から分かっていて、彼ら(各話の犯人たち)が起こした犯罪のほころびを主人公が掴み解きほぐしていくという物語になっている。トリックが徐々に解き明かされていくものの情景描写のみに留め、事件解決の前に主人公が視聴者にどうやって謎を解いたのかあなたも考えてみてくださいと語りかけるというシーンが毎回挟まれる。これはミステリ(書籍)などでは割とポピュラーな手法になっている。そういったミステリのパロディ(オマージュ?)を取り入れつつあくまで軽やかなテイストの作品になっている。今作は新春特別企画として3夜連続で各々異なった事件を扱っている。

今作の犯人は現実のメジャーリーガー・イチローが本人役で演じている。作中で主人公に語らせているが、そもそも当初の予定ではイチローをモデルにした“ハチロー”なる人物にして製作する予定だったらしい。しかしその噂を聞きつけたイチローがそれなら僕が出演したほうが面白いんではないのかということで出演を快諾しこういった話になったとか。さすが器がでかいぜ。

しかしながら、製作側が現役の野球選手に演技をさせることに不安を感じたのか、イチローが長い間続いたこのシリーズにおける名脇役ともいえる登場人物の兄弟という設定にしており、その辺でどうか一つおおめに見てくださいというノリが垣間見える。ところがイチロー、素人目に見てもかなり演技が上手い。最後までこの作品に流れる独特の雰囲気を全く壊さず演じきっていた。そのあたりはさすがというかなんというか。自ら名乗り出るだけの事はある。ただまぁ、当初の予定通りハチローならもっと物語を面白く出来ただろうなぁとも思えるわけで。いわゆる“本人”であるイチローが出演したことで、彼の名前に傷をつけないようにとの配慮が非常に行き届いていて、犯罪に至る動機から彼の“現実の”名声・人気をアピールするシーン、人物造詣や犯罪が露見し捕まるシーンに至るまで完全に“メジャーリーガー・イチロー讃歌”と呼べるものになっている。それでもそれなりに魅せてしまうところがこの作品の心憎いところなのだが・・・。

とにもかくにも、「イチローが演技してる!しかもけっこう上手い!」というインパクトが大きすぎて古畑任三郎としての面白さというものはあまりない。テイストで似たエピソードを探すとするならSMAPが本人役で出演したSPに近い。ゲストキャラを立てるという意図が見えすぎるのだ。

これが意図的なもので、3夜のバランス配分を考えつつ構成しているのだとするならば・・・初日は顔見世で脚本に注目が行くようにして、次は犯人役の配役の豪華さを思い出させ、明日の松嶋奈々子のエピソードでは古畑任三郎賛美の内容になりキレイに着地することになるが・・・。そこまで考えているのなら、さすが長寿シリーズ、とうならされるなぁ。さて、名実共に「FINAL」の明日はどうなるだろうか・・・。


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古畑任三郎 FINAL 第一夜 [TV]

古畑任三郎 すべて閣下の仕業

古畑任三郎 すべて閣下の仕業

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/12/15
  • メディア: DVD


新春特別版・最後の古畑任三郎。

全身黒を基調にしたファッションに、刑事にはとても見えない風貌、そしてやわらかい物腰。拳銃を持たず、暴力も行使しない。ただ己の冷静な判断と推理力、そして巧みな話術で、犯人の巧妙なトリックを見事に解き明かす…。和製コロンボとも呼ばれた「警部補 古畑任三郎」は、刑事ドラマの枠を超えて、多くのファンを魅了した。冒頭シーン、犯人の攻防場面、事件解決に至る場面など、段階ごとに古畑が視聴者に向かって問い掛ける演出は新鮮。登場する犯人役に豪華な顔ぶれを配し、古畑との対決を見ごたえたっぷりに描く。生活観を感じさせない古畑を、田村正和が独特な雰囲気の中で印象づけている。amazonより引用


「FINAL」と銘打って新春特別番組として3夜連続で放送される人気シリーズモノ。刑事コロンボへのオマージュとして構成を踏襲した作品。TVシリーズとして3クール、2時間ドラマとしても何度かSP版が制作された。TVシリーズの最後では疲労をにじませどこかへ旅立っていき、その後製作されたSP版(上記の画像)では海外で事件を解決するという話になっていた。今作では何事も無かったかのように現場に復帰している。

老舗だが零細企業の食パン会社。社長が亡くなり息子が継ぐことになるが次男である藤原竜也は兄を殺し社長の座に着く。捜査の為やってきた警部補・古畑任三郎は全くやる気を見せない。古めかしい洋館、死を呼ぶわらべ歌・・・時代錯誤の雰囲気に呆れかえりつつも推理で藤原竜也を徐々に追い詰めていく古畑。しかし物語は急展開を見せる。

久しぶりの作品という事で期待して観てみた。藤原竜也の演技はなかなかのもの。この作品特有の殺人に対する犯人の平熱感・罪悪感の無さもそのままに謎を解けるかどうかという古畑との掛け合いがメインになる。テーマともいえる犯人の弱者を軽く見たゆえの自己弁護・自己保身を古畑が打ち砕くという基本のスタンスは全く変わっていない。脚本家の味である決してシリアスになりすぎない洒脱?なやり取りも相変わらず。懐かしい、としか言いようがない。

まず、西村雅彦演ずる今泉が復帰したのが嬉しかった。彼がいないとやはり魅力が半減してしまうような。シリアスになりすぎてしまうのだ。ただ、SP版になってからテンポが今一つよくないような。物語やトリックや理詰めで追い詰める為に必要なシーンを盛り込めば1時間では収まらないのは分かっているものの、ある種コメディとして観てしまうのでどうしてもリズムや勢いは重視せざるを得ないというか。さて、第二夜はどうなるか・・・。


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24 -TWENTY FOUR- [TV]

24 -TWENTY FOUR- シーズン1 DVDコレクターズ・ボックス

24 -TWENTY FOUR- シーズン1 DVDコレクターズ・ボックス

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD


視聴者の時間軸と同時進行する海外の人気サスペンスドラマ。

大統領暗殺計画の情報を得たCTUの要請により、オフだったジャックは職場へ呼び出される。彼の娘は深夜に遊びに出かけてしまい、父親として心配しつつも彼は職場へ出向く。そこで彼は上司からCTU内部に暗殺計画に関わる職員の存在を知らされ、その職員を探すよう要請される。ジャックは内通者を探しつつも暗殺計画を立てたテロ組織をつきとめることに全力を尽くしていく。

この作品では、主人公、家族、大統領、テロ組織、CTUなど多角的な視点で物語が進行していく。各々が交わることはほとんど無く、それぞれがそれぞれの思惑で動き、それを包括する大統領暗殺計画というテーマである程度の自由度はありつつも物語が散漫にならないように配慮されている。視聴者と同じ時間軸で話が進むという設定、ようするに物語の中でも1時間しか時間が進まないことで、視聴者が過ごしている日常の中の1時間と物語の中の恐ろしく密度の濃いハイテンションな非日常の1時間の温度差をはっきりと感じさせる作りになっている。しかし時間軸は同じである為、温度差のギャップによって大統領暗殺計画という物語に身近なリアリティのようなものが存在しており、ジャックや大統領候補が織り成す家族ドラマの効果も相まって主人公の心の動きに感情移入しやすい。

物語の内容は多少間延びした印象を受ける。しかし、主人公が疲労や焦燥の中でベストを尽くしている様をリアルタイムで余さず観ているという意識があるので感情移入していればカタルシスや苦悩、悲しみが非常に身近に感じられると思う。12話で一応完結するので、24話をすべて観るのは時間的に難しいと思っている方はその辺りで手を打っても良いかと。


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24 -TWENTY FOUR-2nd [TV]

24 -TWENTY FOUR- シーズン2 DVDコレクターズ・ボックス (通常版)

24 -TWENTY FOUR- シーズン2 DVDコレクターズ・ボックス (通常版)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/05/28
  • メディア: DVD


視聴者と同じ時間軸で物語が進行するサスペンスドラマ

物語がリアルタイムで進行していく画期的なサスペンス『24』がシーズン2に突入し、ジャック・バウアーはまたもや「最悪の日」を迎える。ふたたび刻一刻と時間が進んでいく緊張感は、もちろん前シーズンをはるかに上回る。ロサンゼルスのコンドミニアムに閉じこもり、娘のキムとも疎遠になっているジャックだが、とりあえず捜査官の仕事は引退……と思いきや、そんなことを気にするデイヴィッド・パーマー大統領と国家安全保障局ではなかった。カウンター・テロ・ユニット(CTU)に呼び戻されたジャックは、ロスの中心で放射性爆弾を爆発させようと企むテロ組織に潜入することとなった。タイムリミットは24時間だ。とにかく娘をロス市外へ出させたい一心のジャック。だが折悪しく、キムはベビーシッターとして働き始めていた。仕事先の家の子どもは、父親から虐待を受けている。ジャックの願いとは裏腹に、その父親の思惑は、まったく別のところにあった。スタートから何時間もたたないうちに、衝撃的なできごとが立て続けに起こり、来るべきクライマックスの盛り上がりを期待させる。シーズン1のファンにも満足のいく内容だ。たとえシーズン1を見逃していても、ジャックやキムの行動には、すぐに引きこまれていくだろう。新しい登場人物も加わり、おなじみのキャストがさらに光っている。ジャックのキャラクターがすっかり暗くなり、かなりキレかけているあたりは、意外というわけでもないがおもしろい。ジャックたちが直面する危機も、ますます地球的な規模に拡大する。現実の対テロ戦争にもとづくストーリーは、いうまでもなく時宜に即しており、刺激も強烈だ。シーズン1で見慣れた感のあるロサンゼルスが舞台だが、緊迫感とテンションの高さは前回をしのぐほどで、アドレナリンも沸騰。また24時間、テレビに釘付けとなるのは間違いない。amazonより引用


この作品では、シーズン1では設定の目新しさだけに留まっていた“24時間を24話にしてテロ組織と戦う”というテーマの重要性は薄れている。もちろん濃密な1時間を魅せるという部分は変わっていないが、前作にあったミステリの要素が薄れ、またプロットが練り上げられていたため同時進行しているエピソードが一つに繋がるという部分、事態を収拾しないといけないが時間が無常に過ぎていく“焦燥感”も薄れてしまい、今作は単なるジェットコースタームービーになっている。

前作にあった緊張感はスパイの存在によりお互いが疑心暗鬼になっていくという部分と、家族のために職務を放棄し追われる身となる「逃亡者」的な部分に拠る所が大きかったが、今回は核爆発テロということで主人公のなりふり構わなさは前回の比ではなく、目的のためには人殺しもいとわない。また、前回退場したキャラクターを復活させ非常に効果的な使い方をしていて、前作を踏まえていると主人公を含む人々がどういう心境なのか手に取るように分かり面白さが増すと思う。ただ、全体的に展開や魅せ方が前作よりもあざとくなっており、主人公にあった人間味が薄れ単なる物語のキーマンとして描かれているのには多少がっくりきた。おまけに娘のキムが同時進行して織り成す物語は本筋に全く関係なく、水増し感も漂う。

しかし面白いかどうかで言えば面白いし、好きか嫌いかで言うと前作よりもこちらのほうが好きだ。前作にあった家族ドラマの要素が無くなった事によって物語の温度が一定で、からっと乾いたアクションドラマになっている。登場人物を駒のように扱い人物像を掘り下げないことによって前作と比べて物語に整合性があり、核爆発テロは個人の感情を掬い上げている暇が無いほど重大な問題なのだという風に受け取ることができる描写をしてある。


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24 -TWENTY FOUR-3rd [TV]

24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス

24 -TWENTY FOUR- シーズン3 DVDコレクターズ・ボックス

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/12/22
  • メディア: DVD


視聴者と同じ時間軸で物語が進行するサスペンスドラマ。

シリーズ3作目となる今作では、主人公ジャック・バウアーを含むCTU(テロ対策ユニット)がウイルスを拡散させるというバイオテロを防ぐために奔走する。毎度のことだがもう1人の主人公である大統領の物語と並行しており、再選に向けての準備中にあれこれと問題に巻き込まれ、それを解決しつつもバイオテロへの注視を怠らないという立場だ。だが前作・前々作と違い、両者の物語は交わることなく終わってしまうので、比重の少ない大統領の物語は付け足しというか・・・「大統領も関わらなければいけないほど大きな問題」という描かれ方の“足し”のような按配だ。その点で今作は脚本が今一つという印象。

人気作というポジションを確立したことによって、大きなテーマのドラマを描くに当たって惜しみなく資本が投下されている。舞台も広範に渡り、都市部でのロケも多く、乗り物もジェット機やヘリ・戦闘機まで登場し、大作映画とクオリティはほとんど変わらない。ただ、それが面白さに直結しているかというと微妙なところで、安定感とお得感はあるもののこの作品の特徴である過剰なケレン味と物語の意外性が薄れているように感じた。

私見だが、今作はこのシリーズの完結編として描かれたように思う。今作でこのシリーズを離れるレギュラーは多いし、内容も主人公ジャックの人間を描くという原点に回帰している。ただ、人間を描くといっても以前のようなキーファー・サザーランドの俳優としての魅力に依存したものではなく、ある程度の実績を持ち捜査をリードしていく役割を負った現場の捜査員としての悲哀を描いている。最後に見せるジャックの涙は唐突なシーンに思えるが、描いた意図が分かるとそれまでの流れで出来たジャック像が変わると思う。

この作品を観終わると「あぁ、今作で24は終りなんだな」と実感する。続けようが無いような設定に持っていっているし、今までの確執にもケリをつけているからだ。ところがこの作品を観る前に米国ではシーズン4が始まったという情報も得ていて、これがどう繋がるんだ!?という思いもあり。医療ドラマ「ER」のようにレギュラー陣を総入れ替えして環境設定のみを生かして続けていくような真似をするのではないかと心配しているのだが・・・。


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Dr.コトー診療所2004 [TV]

Dr.コトー診療所2004 DVD BOX

Dr.コトー診療所2004 DVD BOX

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2005/03/02
  • メディア: DVD


秋にTVで放映されたドラマのDVD化

2004年11月に放送された、ドラマ『Dr.コトー診療所』の待望の続編が登場。放送でカットされたシーンを収めたディレクターズカット版で発売!DVDBOX3枚目の特典ディスクは、メイキング・出演者インタビュー・ロケ地マップなど収録予定 沖縄・志木那島の3月。コトー(吉岡秀隆)が島にやってきて1年の時が流れた。今ではすっかり島の医師となり受け入れられたコトーは今日も自転車で島民たちの診療に回っている。背後には、コトーに憧れ医者を目指す剛洋(富岡涼)。島民たちはそんな2人が通るのを認め、気軽に往診を求めてきたりもする。コトーは、途中、昌代(朝加真由美)に呼び止められ、星野家で昼食を御馳走になると、その後正一(小林薫)と共に港にむかう。この島に小学校の新任教師・小沢(光石研)がやってくるのだ。コトーは、港で妻・小百合(神野三鈴)、娘・ひな(尾崎千瑛)と共に盛大に迎えられる小沢を目撃。自分の時とは随分様子が違うものだと一年前の自分を思い出すコトー。その場に来ていた剛洋は、可憐なひなにほのかな思いを抱く。 amazonより引用


DVD3枚組の今作。前・後編に分けられた本編ディスクに特典ディスクがついている。特典ディスクはメイキングを含んだ約2時間の厚みのある内容。

特典ディスクについて。数週間のロケを日記風につづり、与那国の良さをかなりアピールするような内容になっている。登場人物たちのオフショットが中心になり、台風等で難航した撮影を横のつながりの強い関係のまま乗り切った模様がまんべんなく描写される。比較的泉谷しげるがフィーチャリングされていて、「期間をおくとどういうキャラクターだったか忘れちまうよ」などと言いつつも華をしっかりと添えたしげさん役について語っている。たけひろ役の子がナレーションを担当していることで、牧歌的な意味合いが強まり、今作でひとまずドラマを離れることになるたけひろへの思いを増幅するように演出されている。本編では細切れに演出されていたエイサーの模様をきちんと見せたり、映画館で試写会をした際、出演者がインタビューに答えた様子も収録している。和田さん役の筧は相変わらずずれたムードメイカーっぷりを発揮しているような。

一応本編も観たが未公開シーンを加えたりということはないようだ。ただ、前回感想を述べた際言ったがこの作品は原作のコトーを中心にしたヒーローモノから「北の国から」的な年代を経る群像劇にシフトしており、それがこの先も定期的に描かれることは間違いない。それが連ドラなのか2時間ドラマなのかは分からないが、この先物語に深みとケレン味を出す方向で行くのだろう。それは個人的に如何なものかと思うのだが。ヒーローモノとして描いていかないと原作の良さが無くなってしまい、完全な別物の作品(おそらく人間関係の賛美系)になってしまう可能性が大きいので・・・。まぁ、そんなことは今心配することではないのかもしれないが。あまり関係無いが吉岡秀隆は良いキャリアを歩んでいるなぁと感心した。


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