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Dr.コトー診療所 [漫画]

Dr.コトー診療所 19 (19)

Dr.コトー診療所 19 (19)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/05/02
  • メディア: コミック


漫画家、山田貴敏が描く医療ドラマ。

満足に医療設備も揃わぬ絶海の孤島に、一人の若き天才外科医が舞い下りた時、奇跡のドラマの幕が上がる!! 感動必至の離島医療物語。


近年ドラマ化された離島を舞台にした医療モノ。実在の人物をモチーフに、数話完結の“医療”という表現手段を用いてヒューマニズムを描き出す。近々単発でSPドラマとして放送されるという噂も。

人口の少ない離島に東京の病院から赴任してきた医師・五島健介。牧歌的に医者としての職務を全うしようとするも、突きつけられた現実は。ろくな医師が派遣されてこなかったため島民の医師への信頼は無く、診療所に詰める看護婦・彩佳ですら「治療は6時間かけて本島まで船で行く。ここでは診断するだけでいい」と述べる。田舎特有の余所者への冷たい視線を受け、彼はまず信頼関係を築くことから始めていく。

序盤からのそういった物語が一段落すると、彼の医師としての技術と生命に対する姿勢を描き、そこから数話完結でブラック・ジャック的アプローチを魅せ、離島で暮らす人々との交流がメインになっていく。ドラマのほうはその中の人間関係に焦点を当て描いていたが、この作品ではもう少し描写に現実味を持たせ掘り下げ、なおかつ牧歌的に仕上げてある。離島医療の現実よりも離島そのものの実情と暮らしと良さを描いてあるような。

描写や展開が巻を追うごとに厳しくなっていくのは気のせいだろうか。サザエさん的“物語内では時間が止まっている”アプローチではなく、登場人物は年を取り島の事情は流動的で子供たちは成長していく。それゆえのことかもしれないが、なんだかケレン味が過ぎるんじゃないかと思う。画風の中和が追いつかなくなっているような。この漫画家の本来の作風、柔らかな絵柄で厳しい現実を切り取ることで訴えかける力を増すというものだが、実在の人物をリサーチした上で描き出した中盤までと、そこから今までの展開に乖離が見られるような。ここからはいわゆる“自分の作品”として作り上げる、そういうつもりならば見守るしかないところ。


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はじめまして。
このシリーズは好きでずっと読んでいたのですが、最近確かに「ケレン味が過ぎる」感じがしますね。第1部の後半、アル中になった名医を助ける辺りから、そんな気がします。
by (2006-08-20 07:42) 

マーキー

はじめまして。
おそらくTVドラマとの差別化を図っているんじゃないでしょうか。
牧歌的な部分やら人間賛歌はドラマのほうが描ききれているような気がします。
10月から始まるドラマではその医師の話は飛ばしたところから
始まるようですし、あの医師関連のエピソードは痛々しい話が中心なので。
コメントありがとうございます。
by マーキー (2006-08-23 08:00) 

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