SSブログ

NARUTO [漫画]

NARUTO 巻ノ32 (32)

NARUTO 巻ノ32 (32)

  • 作者: 岸本 斉史
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/04/04
  • メディア: コミック


漫画家、岸本斉史が描く忍者漫画。

現在の掲載誌の看板漫画の一つ。丁寧な絵柄で描く成長記というか。途中までは追っていたが購読を止めたのでそこまでの話ということで一つ。

主人公・ナルトは木の葉隠れの里と呼ばれる国に属している学生。忍者学校では落ちこぼれであり、一人暮らしをしつつ国のトップである“火影(ほかげ)”という座を夢見ている。彼は古代にこの国を滅ぼそうとやってきた妖怪・九尾との戦争の際、術者たちが最終手段として人間の赤子の身体にその身を封じ込めたヨリシロ、いわゆるイケニエの成長した姿だった。それゆえに周囲から忌み嫌われ孤独に生きるも何故なのか理解できず一人で活発に生きることでアイデンティティを保ち、と。落ちこぼれの彼を地味にフォローし続ける担任である中忍のイルカ。この里における階級は上忍、中忍、下忍と分かれていて基本的に任務のランクによって仕事を振り分けられる基準となっているが、イルカはその職の中でいわゆる事務・・・昇格試験などの審査官や教師として学校で教鞭をとる、そういったことをしていて、ナルトにあれこれ世話を焼いてやると。そこで資格を取り卒業し晴れて下忍になったナルトは初めての職務で役割を決める試験を受ける。上忍と下忍のスリーマンセル(3人組)でチームを構成し任務に当たるというこの国の規約、そこで人のいい中忍のイルカから広く名の知られた上忍の“写輪眼”を持つカカシにナルトは託される。「イチャイチャパラダイス」というこの国のトップである伝説の“三忍”の一人が魂込めて書いているエロ小説を愛読書にしている感情の読めない切れ者、と。ちなみに“写輪眼”という特殊能力、戦った相手の術を見切り自分で使いこなせるようにするというものだが・・・・。そんな彼の指導の下任務をこなしていくが、組んだチームにサスケという実力者が。同系の血筋に伝わる特殊能力“写輪眼”を継承する家系だが兄が実力を求めるあまり少数精鋭の策謀組織に行きその試練として一族を皆殺しにする際サスケだけは情で生かしておいた。そういった哀しい評判で有名なレッテルを貼られているという出自ながら天才だと。ということは、その家系でない師のカカシが何故彼の家系でしか継承されない“写輪眼”を持っているか。その辺りはサイドストーリーが編まれているので割愛。序盤はそういった任務をこなしていく。忍者という仕事の厳しさと残酷さを知らしめるという意図があるような無いような。

中盤は中忍への昇格試験が主軸となる。3段階に分けられた試験、筆記、実技、面接・・・まぁ普通に社会を踏まえているが、2次試験のサバイバル・・・決められた時間内に目的地へ“3人”でたどりつく、その試験官であるポジノリながら実は暗黒テイストという上忍アンコ・・・この国を滅ぼそうとした元“三忍”の一人、大蛇丸の弟子でありながら母国へ戻り職務に就いている触れると痛いセクシー系姉ちゃんキャラの上忍、彼女の仕切りのもと他の十数組のチームと出し抜きあう試験が。その後は地道に性格付けをしてきた登場人物たちが一対一で戦うという“技術の競い合い”が行われる。忍術といえば初心者の術である“分身”の術しか使えないナルトが、多数の術を持ち、あるいは術そのものの強力さでアピールしている相手に工夫だけで勝って行くという。

展開はどんどんと個人レベルから国自体の存続レベルに挙げられていき。現在はどうなっているか知る由も無いが、コントロールできないものの妖怪の九尾を封じ込められたゆえに時折乗っ取られ実力以上の力を発揮するナルトは里から“危険”だと判断され、“三忍”の一人・・・小説「イチャイチャパラダイス」を書いた人だが・・・、自来也というフリーの忍者に託される。彼に師事し・・・まぁ要は個別指導ってことだが、共に旅に出て分不相応な“技”を一つ習得することと身体能力の標準化を課せられ。それと並行して・・・つまり主人公は“不在”、いままで人物造詣してきた登場人物の“群像劇”にシフトする。悲劇を象徴するサスケの物語が中心となり、彼が“三忍”の一人・・・あれです、ナルトの師とスリーマンセルを組んでいてアンコの師である大蛇丸、彼の陰謀に加担することを迫られる、と。

この辺りまでしか読んでいないが、兄への復讐のため自分の意思をまっとうしようとするサスケと情で動くナルトが対峙し、各々の得た実力で闘い。お互いの師である上忍・カカシが止めに入るも勝負はつき後の祭り、落ち着くところに落ち着いてしまっていたというか。掲載誌のほうでは確か名実共に中忍になったナルトが母国・木の葉隠れの里に帰り、また新たな展開があるようで。

この作品の魅力だが、人物造詣が非常に上手い。一個人の想像力を超えているというか。カブりがちなキャラクターでもきちんと差異を持たせている。それも画力に依存したものではなく“性格”で表現してあるというか。そしてその性格が彼らの技術に直結していて・・・まぁようするに“忍者というのはメタファー(比喩)だよ、社会の空気をつかんで提示しているだけ”と・・・まぁ常識というか漫画を読む目的をまっとうしただけなのかもしれないが、この作品はそれを非常に丁寧に分かりやすく諭してくれるというか。結局作者の人柄・・・“優しさ”で現実を見る角度を少し修正してくれる。その“バランス”が本質、と。画力は漫画というカテゴリで追求できる暖かさやディフォルメやらで“娯楽”を追求し、広範な意味での物語に“リアリティ”を持たせてある、それが。どちらも“肯定性”と“安心感”と“哀しみ”、そういう意味合いでかなり高品質な作品だと思います。個としての輪郭をどれだけはっきりさせるかが表現者としての成長、それがテーマかと。機会があれば再読してみようかと。

えーと、画像はナルトを適当に相手している肯定派のスリーマンセルです。


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 3

シェ。

私もナルト大好きです。 カカシの写輪眼は確か・・
友人から受け継がれたものだったと想う。(眼に車輪・・みたいな模様が
ナルトは分身が苦手だったけど 今ではナルトの最強の術って言っても
過言ではないくらいの術だよね。そういうところが ちょっと感動です。
by シェ。 (2006-06-09 19:13) 

マーキー

カカシは早い話が忍者としての厳しさを知りすぎているがゆえに、彼が審査を担当した忍者アカデミーの生徒を次々と落として行ってるんですよ。序盤での試験で「イチャイチャパラダイス」を読みながらナルト・サスケ・サクラを試しますよね?あれは分かりやすく「日常へ戻れ」と教えていると。日常レベルでここまで出来るのが忍者だと。で、忍者に対する殺伐とした決意やらキャリアやらなにやらではなく彼らが日常レベルのやり取りをしていたのを地味に観て、合格させる。この辺りがなんというかアレですよね。仕事としてではなくそれを人間的な成長へ昇華できるかどうか試しているんですよ。例え忍者じゃなくなっても人生にプラスになるようならまぁいいだろうという。

ナルトの場合はあれ分身の術じゃなくて影分身の術なんですよ。
気配を感じるほどリアリティのある分身を作り出す。
それは実は禁術なんですが、覚えた以上はしょうがない、と。
で、彼は自分なりに工夫して任務で貢献できるようにしていく。
だからスルーというか。そんな感じに見えました。
コメントありがとうございます。
by マーキー (2006-06-10 14:48) 

NARUTO 画像

マンガ・コミック情報-コミックINFO
最新コミック、マンガ情報を毎日お届け!!コミックレビューでマンガをもっと面白く!!
フェアリーテイル 画像 http://comic.fansfree.com/magazine/fairytail/
NARUTO 画像 http://comic.fansfree.com/jump/naruto/
ゲームニュース.com
真・三國無双 On line ~神将乱舞~
http://gamenews.goto-ex.com/view/1335.html

by NARUTO 画像 (2009-12-08 16:47) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Happy!機動警察パトレイバー ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。