SSブログ

Blow Up! [漫画]

BLOW UP Vol.1 (1)

BLOW UP Vol.1 (1)

  • 作者: 細野 不二彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1989/08
  • メディア: -


漫画家、細野不二彦が描く成長記。

就職しても、ひたすら下働き、他人の尻ぬぐい!それより、オレァ!!みゅじっしゃんになるんや!!好評ヒューマン・ジャムセッション!!


作品ごとに取り上げる題材を変え、それをある程度掘り下げ提示することで有名な漫画家の過渡期の作品。代表作としては「ギャラリーフェイク」だろうか。ピカレスクロマンを日常に落とし込んだ秀作だが、あちらが・・・なんというか完全な大人の視点、分かりやすく言うと感情を排した生き方をしている人間が徐々にバランスを取っていくという作品(完結したため言える結論)、そこから観た世の中の提示であったのに対し、こちらは青春群像劇になっている。

主人公はジャズミュージシャンを目指し下積みをしている若者。彼が社会的地位も積み上げた人間関係も金も女もすべてかなぐり捨て、ただひたすら夢を追う。現れる過去の人々は夢を追うことの困難さとあきらめを諭す。書くと安易だが現実を踏まえた展開なので、これほどの犠牲を払わなければ難しいという分かりやすい提示になっている。自分が感じていた居心地のよさ・・・つまり趣味を“体現”することの困難さ、最初に感じていた技術の研磨への必要性やらの葛藤は、すべて先達からの提示によって真実を知ることで理解の誤差を修正される、と。つまりさくさくと事実を教え駆け足で導く、そんな話なんですね。それに見合うしぶとさというかタフさというかそれを持っていることを一応確認し、という話で。スタジオミュージシャンは仕事をしてみて仲間と認め、同じ夢を観てあきらめたバイト先のジャズバーのマスターがそれとなく試していき、結果的に、と。

ミュージシャンが成功するまでを非常に凝縮しかなりディフォルメした物語なので2巻で完結、と。絵柄と演出が過渡期ゆえに少々古臭いんですが、本質はとくに変わってないかと。このモチベーションを維持できるかどうか、それを問われる作品。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。