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花とみつばち [漫画]

花とみつばち (1)

花とみつばち (1)

  • 作者: 安野 モヨコ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: コミック


漫画家、安野モヨコが描く“男性”を主人公にした青春モノ。

お待たせっ!あの安野モヨコが青年コミック初降臨。みんな知りたい女のコの秘密。モテたいけれどモテないアナタ。この1冊でギャルのハートがわかるかも!?本当のモテは果てしなく遠いぜ……。


女性を主人公にして面白おかしい青春群像劇を描いていた漫画家が、青年誌に初連載した作品。テーマは分かりやすく精神的な成長に目覚めるまでの学園モノ。

主人公の高校生・小松はクラスで地味系としてカテゴライズされ、はっちゃけた女子から時折潰し気味にいじられている男子。女子の中で目立っているサクラ(真面目な本音を語る役割)からあれこれ諭されつつ、現状に不満を感じ「これが俺の人生か」と分かりやすく苦汁を舐めている。そんな彼が・・・まぁありたいていに言うとクラスでの地位を上げたい、それにはモテることが一番の早道、そしてそれに不可欠なのは見た目を磨くこと!という安野モヨコアプローチで強引に話が進んでいく。この漫画家の場合、現実的に女性の立場によって誰をどう見るかというのを非常に細かくきつめに提示するので、正直序盤は単なるいじめとしか思えず。これを等身大で読んで笑えるのは真性のマゾというか。社会人になる前に男たちを手玉にとり腰掛としてエステサロンを経営している美人姉妹に会ったのが運のつき、虐待にも似たしごきを受けしかも見捨てられ。少し努力の成果が出て周囲の女子のリアクションがよくなったら純朴系の偽装をした女子に捕まりめちゃくちゃにやられ。女性と付き合うことのリスクをひたすら描き続ける。人の良さだけで生きている小市民の主人公はその度潰されるも自分の性格だけは変えられず・・・ようは嘘がつけない損な性格/勘違いできない損な性格ってことだが、その上妥協も出来ずひたすらいじめられ奔走すると。

漫画家自身連載終了後述べていた通り、実はこの作品の主人公が途中でどうでもよくなり適当に展開していたらしい。そんなしょうもないモチベーションで編まれながらも男性側からの成り上がりという物語の輪郭は一応壊れていない。学内で地位の高い女子と付き合い(美男ぞろいの)元彼と対等な立ち位置に立ったことによって見える光景に唖然とする小松を仔細に描いているため、学園モノの恋愛ドラマとしては“リアリティ”という点で群を抜いているかと。

女にモテるためというモチベーションで最後まで突っ走る主人公は結果的に自分の人生を開くための見識を与えてもらったことに気づかない。ただただひたすら突っ走り、自分が自分の人生をコントロールできるまで上げてもらった事も分からず、先へ進んでいく。今まで彼を苛め抜いてきた女性たちが物事の本質を率直に教えてくれていたこと、それを説明しないのがこの漫画家の特質というか。読むと痛いんですが、教科書ってことで。


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